深谷は、ユリの生産量、全国シェアー第1位(14%)を誇る、一大生産地域です。
そのユリの特徴は、「スカシユリ」(アジアンティック系)の伝統と、「ロイヤルトリニティー」に代表される「LA系」(ロンギフローラム・アジアンティック系)への挑戦です。
特に「LA系」については、日本で最初にこの品種に取り組んだ先駆者的な産地で、これまでの「LA系」の発展・普及に関しては、深谷生産地無くして語ることは出来ません。現在も尚、色数・品質伴に、他産地を寄せ付けない不動の地位を確保しています。
また、前述でも述べたように、各顧客様ごとに「モノ日に合わせた予約販売」や、「本来の時季以外の生産」、「草丈の長さや、輪数・切り前の注文」など、消費者サイドの都合に合わせた生産や出荷の相談に乗ってくれるシステムがあります。
ですから、首都圏近郊に位置する事も含め、「長期的な視野に立ってのモノ造り」を一緒に考えてくれる、「心強いパートナー」的存在の生産地なのです。
ところで、ここで少々品種の整理をしておくと・・・
OH系(オリエンタル・ハイブリット) カサブランカに代表される、日本に自生しているユリを中心に交配された品種。その他の品種:シベリア・ソルボンヌ・ルレーブ等 |
AH系(アジアンティック・ハイブリット) カサブランカに代表される、日本に自生しているユリを中心に交配された品種。その他の品種:シベリア・ソルボンヌ・ルレーブ等 |
LA系(ロンギフローラム・アジアンティック) 鉄砲ユリに代表される細長い筒状の花の品種とスカシユリの品種の交配種。その他の品種:シベリア・ソルボンヌ・ルレーブ等 |
AH系(アジアンティック・ハイブリット) カサブランカに代表される、日本に自生しているユリを中心に交配された品種。その他の品種:シベリア・ソルボンヌ・ルレーブ等 |
深谷では、大正初期からチューリップ栽培が行われており、産地としては、謂わばパイオニア的存在で、日照時間が長い為、葉・茎伴にしっかりした、高品質の花を供給しています。深谷のチューリップは、統一ブランド名として「早春の彩り」と名付けられていて、9月から11月いっぱいにかけてはニュージーランドの球根を使い、旬の時季以外でも出荷対応可能な状態を維持し、12月以降はオランダや国産の球根にバトンタッチし、翌年5月の上旬まで、長期間の出荷を行っています。
また、歴史の伝承だけでなく、新しい生産方法(水耕栽培)にも果敢にチャレンジし、日夜研究を惜しみません。